(月刊ねこ新聞)湯川れい子さんのお婆ちゃんネコへの想いに共感

レビュー地域ネコと私
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

木村 邦彦をフォローする
ねこ新聞2017年1月12日号の表紙は藤城清治さんのイラスト。

ねこ新聞2017年1月12日号の表紙は藤城清治さんのイラスト。

猫と文学の専門紙「月刊ねこ新聞」を愛読しています。

毎月届けられる新聞はキッチンのテーブルにおかれ、家族で輪読しています。すると、家族間の共通の話題になってゆきます

1月12日発行の最新号では、音楽評論家の湯川れい子さんのお婆ちゃん猫をめぐるエッセイが印象的でした。湯川さんの愛ネコの名は「湯川テンプル」ちゃん、略して「テンちゃん」です。麻布にあるテンプル大学の側の道路で拾われたことに由来するそうです。

人なつこくて、誰にでも「抱っこ、抱っこ」と甘えかかって行くから、テンちゃん会いたさに学校帰りによってくれる男の子や、言葉が不自由でいつも淋しそうな外国人の女の人が、地面に脚を投げ出して、何時間でもテンちゃんを撫でて行ってくれたりする。

出典: 湯川れい子「我が家の“かまとお婆ちゃん”」月刊「ねこ新聞」No.203

ところで、我が家はペット禁止のマンションです。ネコも飼えないので、私たち夫婦は地域ネコを可愛がっています。そのネコも老ネコで名前は「デンスケ」ちゃん、略して「デンちゃん」といいます。

デンちゃんの前を通り過ぎる近隣住民たちは、「デンちゃん、デンちゃん」と名前を呼ぶ。湯川れい子さんの「テンちゃん」の話と、我らの「デンちゃん」にはたくさんの共通点があって不思議に思えました。

捨て猫だったこと。老ネコであること。皆に愛されていること。そして、いつの日か別れがやってくること。それを考えると、辛くなってきます。

別れの覚悟は、きっと多くのネコ好きたちが抱く共通の想いなのでしょう。

タイトルとURLをコピーしました