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『サピエンス全史』最終章「超ホモ・サピエンスの時代へ」は有象無象

学びと読書
モクソン ホウ

法政大学文学部哲学科卒。編集関係の業務に従事。金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味は絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。

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この他の超人のみなさん

デジタル生物

他にもいくつかスーパーヒューマン候補を挙げています。著者が「別の生命」と呼ぶ「デジタル生物」もその一つ。コンピュータ・コードで作られたデジタル方式の心を持つ生物です。

出典:ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』。赤字は引用者によるもの。

著者は2005年に始まった「ピューマンブレインプロジェクト」という活動について触れています。コンピュータ内の電子回路に脳の神経ネットワークを模倣させることで、コンピュータの中に完全な人間の脳を再現することを目指す取り組みです。

(写真=PhotoAC

コンピュータの中に完全な人間の脳を再現できたら、世の中はなかなか引退しない老害だらけになるように思われて、少々げんなりした気分になりました。

バイオニック生命体

この他、サイボーグ工学による「バイオニック生命体」も挙げています。

サイボーグといったら、私はやはりダース・ベイダーを思い浮かべてしまいます。会議中に機嫌をそこねると部下のクビを締めようとするのはお約束。もう、超ホモ・サピエンスの時代は有象無象に思えてきます。

◎疑問・感想

バイオニック生命体(サイボーグ)は種と言えるでしょうか。そもそも、これはホモ・サピエンスのことではないのだろうか、という疑問がわきました。デジタル生物も生物といえるのか疑問です。死がない(心臓死・脳死がない)機械は「生きている」と言えるのでしょうか。

ホモ・サピエンスがいなけれデジタル生物は存続できないので、共依存の関係にあるようにも見えます。

人間自らを改造し超人化する可能性を遺伝子工学には感じます。しかし、「ゲノム編集」などの議論に深入りすると生命倫理の論争に巻き込まれるため、著者は超人とは関係あるようで関係ないバイオ生命体やデジタル生物などの話題も出し、お茶を濁している印象がしました。

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