ざわつく気持ちを静める100のヒント『小さなことにくよくよするな』

学びと読書
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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疲れ果てていますと、本を読んでリカバリーする気力も残っていないかもしれません。だけれど、この本なら目次を眺めるだけでも、リカバリー効果を期待できそうです。見出しはまるで格言のようです。目次の一部を引用してみることにします。

001  小さいことにくよくよするな
002  完璧な人なんて、つまらない
003  成功はあせらない人にやってくる
004  頭で悩みごとの雪だるまをつくらない
005  思いやりは訓練で育つ
006  死んでも「やるべきこと」はなくならない
007  人の話は最後まで聞こう
008  人のためになにかする――こっそりと
009  相手に花をもたせる
010  いま、この瞬間を生きる
011  自分以外はみんな文明人だ

著者はアメリカの心理療法士リチャード・カールソン。本書『小さなことにくよくよするな』で気持ちを静める100項目のヒントを記しています。一つの項目で1000文字程度。難しい言葉は使っていませんので、すーっと頭のなかに入ってきます。

気落ちしているとき、本来なら気の置けない友人や親類、仕事仲間にかけてほしいと思うところでしょう。しかし、仲間もなく,助けてくれる者がいないとき、本書は彼彼女らに代わって読者を慰めてくれるのです。孤独は人生にはつきものですので、このような本が必要になることもあります。宗教色はありませんが、あえていえば、禅の影響を感じます。ここでは90章の「この一幕もまた過ぎていく」を引用してみましょう。

あなたが経験したすべてのことは終わっている。どの考えも始まっては終わった。いままでに味わったどんな感情や気分も永遠に持続することはなかった。これまで幸せ、悲しみ、嫉妬、落ち込み、怒り、恋、恥、誇りといった人がもつあらゆる感情を味わった。そういった感情はどこにいったのだろう? その答えはだれも知らない。私たちが知っているのは、すべてはやがて無に帰るということだけだ。この真理を歓迎することによって自分を解放する冒険の旅が始まる。

1年たてば、すべて過去。このように本書は語りかけます。私は心が弱っているとき、本書に頼ります。小さなことへのとらわれに気づき、解き放たれます。われながら、本書を必要とするのは不幸なときです。できるならば本書を必要としないストレスレスな人生を歩みたいものです。

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