捜し物をするとき「にんにくにんにく」とおまじないを唱えるのはなぜ?

人生(LIFE)
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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にんにく(Illustration by kimukuni)

にんにく(Illustration by kimukuni)

捜し物が携帯電話やスマホなら、まだマシです。番号に電話をかけてみればよいのですから。着信音で見つかるかもしれません。

ところが、メガネとなると最悪です。自分の頭部に置き忘れたメガネを捜している、あの磯野波平さんの悲哀はわが身のように感じます。

私は≪メガネ捜し用のメガネ≫も用意しています。この≪メガネ捜し用のメガネ≫すらも見つからなかったらなら…。よく見えませんので、途方に暮れます。お風呂上がり、寝起き…。1日2~3回は捜しているかもしれません。「にんにくにんにく」と唱えながら。このおまじないは、数年前に妻より教えられたものです。

「捜し物をするときは、にんにくにんにく、と唱えると見つかりますよ」

なんでも、幼い日に妻が妹から教えられた「おまじない」なのだそうです。しかし、義妹はどこでこの「おまじない」を知ったのでしょうか。妻も知りません。私は、きっと、義妹の好物がにんにくだからに違いない、と想像しました。ところが、実は予想以上に由緒正しいものだったのです。どうもヨーロッパに起源があるらしいことが分かりました[1]

魔女やドラキュラが信じられていた時代のことです。この地の人々は、物が見つからないのは魔女が隠したからと考えました。捜し物をするときには「にんにく」と唱えることにしました。魔女は「にんにく」が嫌いですので、隠していた物を返してくれるのだそうです。

私のメガネも魔女が隠しているようです。これからも、にんにくにんにく、と唱えてメガネを捜すことにします。


【脚注】

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