スマホよりも乾物・漬け物を作ることの方が好きだ

人生(LIFE)
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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 私は、乾物を作ったり、漬け物を作ったり、果実酒を作ったりするのが大変に好きである。具体的には、“塩から”にも凝ったことが思い出される。塩からを勉強するためだけに、寿司屋に通ったことも懐かしい思い出だ。
ベジタリアンの妻と結婚し、いまでは塩からは作らないものの、それでもニンニクの醤油漬けとか簡単な一夜漬けなどを作ることがある。
きょうは妻と一日デートを楽しみ、お昼は二人きり食事をして、温かい茶なども飲み、くたくたになって家に帰ってきた。お昼に散々の飲み食いをしたので、お腹があまりすいていなかった。軽くざるうどんにしようということになり、妻が仕度をしてくれた。私はとても嬉しく、そしてうどんを食べようとした。妻は、私が作ったニンニク醤油をかけて食べようと言った。私は食卓の演出に貢献できたことを嬉しく思った。そして、事件が起こったのだった。妻は、ニンニク醤油を、うどんではなく、テーブルの上に置かれていたLGL21にかけてしまったのだった。どうして、うどんとスマホを見間違えるのか私は理解できず、もし似ているとすれば、確かに“白い”という点では似ているものの、私は気を失ってしまうほどショックを受けたのだった。立ち直るのに数時間かかってしまったのだった。
私は二重に三重に悲しいのである。ひとつは、LGL21には防水・防滴機能があるので問題は起こりえないことを知っているにもかかわらず、「水没」に対してショックを受けてしまったこと。第二に、スマホに醤油をかけた妻をすぐに赦せなかったことだ。
スマホなど、ただの携帯電話である。こんな機械よりも、身近な存在や人生こそが大切である。

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