進撃のダース・ベーダー 早すぎても、遅すぎても、然るべき出会いは生まれないのかも

レビュー
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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 ダース・ベーダー

 仕事や人生で、最高のパートナーと、もっと早く巡り会っていたら、仕事や人生はもっと早く成功できていたのかも?!しかし、早すぎても、遅すぎても、結果は生まれない。映画「スターウォーズ」のアナキン・スカイウォーカー(ダース・ベイダー)の人生から感じます。

早すぎても、遅すぎても、然るべき出会いは生まれない

純粋だった幼年時代

 被差別身分のアナキン・スカイウォーカーは、労働者の街で貧しい母子家庭の生活を送っていた。女王の身分を隠し、訳ありの旅をしていた美少女パドメ・アミダラと偶然に出会ったのは、アナキンが10歳の頃だった。パドメ・アミダラに恋したアナキンは、胸を焦がす想いで月日を重ねることになる。

転職を成功させ、スキルを身に付けた、仕事が面白くなってきた青年時代

 奴隷身分から、カタギの仕事(ジュダイ)を得て、青年となっていたアナキンは、パドメ・アミダラと再会する。世間から尊敬される職業に就き、男前のアナキンは、パドメ・アミダラを口説き落とし、十年の恋が結ばれたのであった。キスなんかもしちゃったりするのである。10歳の頃とは大違いだ。

ブラックな世界で人々をこき使う支配者時代

 その後、アナキン・スカイウォーカーは仕事や世間がイヤになり、カタギの世界から極道になってしまう。抗争に巻き込まれ、通常は指を詰めるところだろうが、アナキンの場合は手足を詰めてしまった。黒色の義手義足を身に付け見目姿も異なり、ダース・ヴェイダーを襲名する。冷酷かつ公平、無情で迅速。十代と、壮年になっての人格は、まるで違う人物である。妻パドメ・アミダラは、こんな体たらくな男と一緒に暮らす気になれず、別居してしまう。

 このように、二人が結ばれるタイミングは、アナキンが男前でカタギの仕事(ジュダイ)をしていた時代以外には考えられないだろう。

流れに身をまかせる

 同じ人間でも、時代や場所によって、人物像は違うだろう。時代も自分自身も、機が熟さなければ、然るべきステージに移動できません。いま起きたことは、どのような生き方をしてきたか、その瞬間の世界の状態に基づいて、起きるべくして起きた結果。「ひどいこと」や「素晴らしいこと」、さまざまな小さな出来事の積み重ねで、いまがあります。今と明日の積み重ねで、きっと然るべき結果が待っていることでしょう。そのために、じっと流れに身をまかせるべきときもある。そのようなことを、「スターウォーズ」のエピソードは教えてくれるような気がします。

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