精神科医が教えてくれたYouTubeで怪談安眠法

人生(LIFE)
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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人生の後半を大学院でリカレント(学び直し)することに興味がわいてきた。心理学系も考えている。2018年には公認心理師という新しい国家資格もスタートした。心の健康をサポートし、医療や教育などの分野で活躍が期待されている。精神科医をしている知人に相談してみることにした。

その知人が言うには「公認心理師という国家資格はできたばかりなので、チャレンジするにはいい時期」。心理職はいままで民間資格しかなかった。そこへ新しい国家資格ができて、大きく変化の時期を迎えているようだ。

その日、知人はほかにも面白い話をしてくれた。医者は患者に過度にのめり込むことは仕事上好ましくなく、適度な距離感が必要なのだという。医者は家に帰ってからも、「患者にもっと違うアドバイスをすれば良かった」と考え込むのはよくないらしい。彼はこう続けた。「医者の寝つきも悪くなる」

どのような仕事でもストレスマネジメントは大切だ。では、よく眠るために止めどなく湧き上がる思考をストップさせるのはどうしたらよいのだろう。私たちは必ずしも禅の修行者ではない。修行なんて必要とせずに手っ取り早く思考をストップさせる方法は、他人の語りで頭のなかを満たしてしまうことだ。

精神科医の知人はYouTubeで怪談を聞いて寝ていると言った。以前は落語を聞いていたそうだが、怪談の方が語りはゆっくりなので寝入りにぴったりと説明していた。ちなみに私もaudiobookという朗読サービスで志麻絹依さんの『幸せに深く眠るための瞑想』を寝床でよく聞いている。この朗読はとてもポジティブな語りで心地よく、安心してよく寝られるんだわ。大抵5分以内に寝落ち。耳に違和感のない小さな密閉式イヤホンを付けている。これは耳栓も兼ねている。

知人の話は共感することが多かった。ただ、寝床で聞いているのが怪談というのは意外だった。怪談を聞きながら、安眠できるものなのだろうか。そして、どのような夢をみることになるのだろう。なまめかしい美女の妖怪が言い寄ってくる、泉鏡花の怪奇小説『高野聖』なら色っぽい夢が見られるかもしれない。今晩はこわ〜い話で試してみようと思ったのだった。

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