地下鉄のエスカレーターは、どうして途中で階段になってるの?

人生(LIFE)
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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途中で階段になる都営地下鉄浅草線のエスカレーター

なぜか途中で階段に変わる地下鉄のエスカレーター

都営浅草線のような古い地下鉄には、謎があります。

途中で階段に変わるエスカレーターがその一つ。どうせ作るなら、最後までエスカレーターにすれば良いのに。障がい者や高齢者、妊婦さんなどにも、がぜん便利になるはず。

都営地下鉄の駅員さんに理由を聞いてみました。

バリアフリーとユニバーサルデザイン

答えは、明解でした。

都営浅草線の古いエスカレーターには、バリアフリー[1]の考えが、そもそもないのだそうです。ええっ、まじですか!途中から階段になるデザインの意図は、駅員さんにも分かりません。

謎に思えたエスカレーターは、都営浅草線開業当時から設置されています。半世紀前の1960年。バリアフリーとかユニバーサルデザイン[2]という言葉自体が、まだ存在していません。バリアフリーは1970年代から、ユニバーサルデザインは1980年代から広まった考えです。

地下鉄の古いエスカレーターは、健常者がそこそこ便利に利用できれば良いと設計されたのでしょう。さまざまな人が利用する今日では、このデザインは少々古くなってきたようです。ちなみに、改修計画はないとのことでした。

なお、新しい都営地下鉄の大江戸線は、エスカレーターやエレベーターを上手に組み合わせ、誰でも快適に利用できる作りにはなっているそうです。


【脚注】

  1. バリアフリー:社会的弱者が、社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的な障害や、精神的な障壁を取り除くための施策、若しくは具体的に障害を取り除いた事物および状態を指す用語
  2. ユニバーサルデザイン:文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン
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