鈴木みそ『ナナのリテラシー』 電子書籍で作家自身がマネジメント!

レビュー
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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ナナのリテラシー

 漫画家 鈴木みそ先生“渾身の作品”(*1)。「ナナのリテラシー」Kindle版を読む。いま、本は「紙」から電子書籍に移り変わりつつある。作家にとって、ビジネスチャンスが訪れていることを告げているように思えた。

 

電子出版へ作家を導く 自伝的な手引き書

 著者の鈴木みそ先生が、AmazonのKindleで個人出版し空前の大ヒットを飛ばした実績を持っている。これまで漫画家は、出版社という土俵がなければ、作品を世に出すことができなかった。しかし、電子書籍を個人出版することで、出版社を通さずに作品を出すことができる。印税の面でも、作家の自立する道が示されているだろう。

2引用/鈴木みそ『ナナのリテラシー1』,№72/184, 2014/1/23
引用/コピーライトマーク鈴木みそ『ナナのリテラシー1』,№72

 『ナナのリテラシー』は、漫画家だけではなく、アーティストとして世に出て行こうとする人たちにとって、なにかしらのアイデアが含まれている良書だと思う。自分で作品を作り、版元や取次を通さずに、自分でマネジメントして売り出す道筋が示されている。

作家にはマネジメントの才能も求められる

 これまで、作家は、優れた才能をもつ編集者や力のある出版社との出会いを望んでいたものだろう。しかし、作家自身がクリエーターとしてだけでなく、マネジメントの才能を持っているならば、自力で歩みだすことができる。一つの手本が、『ナナのリテラシー』だ。作家自身が、すぐれた編集者であり、出版社となる必要がある。セルフプロデュースであったり、アートマネジメントの切り口でも読める。

 いま、メディアやコミュニケーションの主役が本格的に入れ替わろうとしている。私たちは、新しい時代を生きていることに気づかせる。

ナナのリテラシー1
ナナのリテラシー1

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鈴木みそ (2014-01-23)
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