【モルゴーア・クァルテット】プログレをクラシックに変換する弦楽四重奏団

レビュー
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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出典:「モルゴーア・クァルテット 「レッド」LIVE映像 – YouTube」、閲覧日:2016年8月7日

プログレの名曲は、クラシックの演奏でも、魅力を充分に発揮するだろうか? MORGAUA QUARTET(モルゴーア・クァルテット) は、この興味に直球勝負で応えてくれる。

モルゴーア・クァルテットは、日本を代表するオーケストラのメンバーによる弦楽四重奏団。そもそもは、ショスタコーヴィチの残した15曲の弦楽四重奏曲を演奏するため、1992年秋に結成された[1]。第1バイオリンの荒井英治さんはプログレッシブ・ロックファンということもあり、楽団のレパートリーはロマン派音楽からプログレッシヴ・ロックまで幅広い。

プログレッシヴ・ロックの原曲に、敬意を払った演奏は素晴らしく、たとえば「レッド」には惚れ惚れする。

アルバム『原子心母の危機 Atom Heart Mother is on the edge』や『21世紀の精神正常者たち』では、King Crimson、YES、Pink Floyd、Genesis、EL&Pなど、プログレの大御所たちの名曲を取りあげる。

21世紀の精神正常者たち

画像:Amazonより。21世紀の精神正常者たち

似た試みで90年代に、ロンドン・フィルハーモニック・オーケストラがPink Floydの楽曲をレコーディングしたこともある[2]

彼らのアルバムのコンセプトは、プログレッシブ・ロックをクラシックに変換する[3]というもので、原曲の魅力に忠実にあろうとする態度も伝わってくる。

個人的には、イエスの「同志」(And You and I)がツボだった。ロックバンドであっても、弦楽四重奏団でも、名曲はやはり素晴らしい力を持っている。このあたり前のことを、モルゴーア・クァルテットは教えてくれる。

関連ページ:日本コロムビア | モルゴーア・クァルテット

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【脚注】

  1. 日本コロムビア | モルゴーア・クァルテット」、閲覧日:2016年8月7日
  2. 狂気~ピンク・フロイド・シンフォニック、ロンドン・フィルハーモニック・オーケストラ (アーティスト, 演奏), ピーター・スコールズ (指揮) 、1995年
  3. モルゴーア・クァルテット|日本コロムビア」、閲覧日:2016年8月7日
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