はじめて受講した「Tokyoヘルスケアサポーター養成講座」で学んだこと

レビュー

会社員。愛読書は中国古典。好きなものはキャッシュレス、なつめチップス、ヤマト屋、ジェロントロジー、ポイ活。

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本文中の写真=PhotoAC

健康に関心が高い都民が多いようです。「Tokyoヘルスケアサポーター養成講座」の参加決定メールには200人の定員を「大幅に上回る申し込みを頂いたため、急きょ、同日に別会場を設けました」と書いてありました。

Tokyoヘルスケアサポーター養成講座を開催|東京都
東京都では、人生100年時代において、高齢者等が生涯現役で活躍できるよう、これまで各都立病院が実施してきた医療・予防・健康づくり等に関する公開講座を体系化した「Tokyoヘルスケアサポーター」養成講座を初めて開催しますので、お知らせいたしま...

この養成講座は東京都の広報紙で見つけました。申し込んだのは2018年末。そして、19年1月26日に受講してきました。ためになる講座だったので、これから参加してみたい方のために講座の概要を書いてみます。

Tokyoヘルスケアサポーター養成講座とは

19年1月26日、最寄り駅の都営大江戸線都庁前駅から会場に向かいました。場所は西新宿のビル。はじめて向かう場所でしたが、途中で「Tokyoヘルスケアサポーター養成講座会場はこちらです」と案内を持っている係員がいたので、すんなり行けました。

都庁前駅

3時間半の講座はあっという間に終わったと思えたほど、充実していましたし、もっと話を聞きたいと思える内容でした。資料はA4の大きさ、厚さ5ミリ、100ページあります。これ以外にも都立病院の紹介パンフレットも渡されます。講座は資料を読みながら、同じ内容のパワーポイントの画像で説明されます。670人の参加者がいたため、大型スクリーンは3台ありました。

資料の目次に沿って、内容を少し引用して紹介します。興味がある方の参考になれば幸いです。

Tokyoヘルスケアサポーターとは(資料より抜粋)

東京都は超高齢社会を迎えています。健康長寿社会を実現するためには、一人一人が正しい知識に基づき、疫病の予防、健康づくりに取り組み、家族や地域の人と支えあうことが重要です。

これまで各都立病院が実施してきた公開講座を体系化し、加齢に伴いリスクが高まる疾患、介護予防、医療との向き合い方について解説する講座を実施し、講座の修了者を「Tokyoヘルスケアサポーター」として認定することとしました。

Tokyoヘルスケアサポーターとは病気の予防や健康等に関する知識を身に付け、自らの健康づくりに積極的に取り組む方。家族や周囲の人とともに健康づくりに取り組み、健康診断の受診を進めるなど、地域の健康づくりのためにできることから実践する方。

出典:Tokyoヘルスケアサポーター養成講座を開催|東京都、(閲覧日:2019年1月27日)

がんを知り、がんと向き合って生きる

がんの発生メカニズム、治療方法について知り、がんになってもその人らしく生き抜くための講義です。

日本人のがんの要因は男女で違いがありますが、共通しているのは「喫煙、ウイルス感染、飲酒」です。がんリスクを減らす健康習慣は「禁煙、食生活を見直す、適正体重を維持する、身体を動かす、節酒(禁酒ではない)」です。

がん検診のお知らせ

健康診断で早期発見する機会が多いそうです。健康診断の重要性、受診率の向上、医療技術の最前線の紹介、がんゲノム医療がまだ研究途上のこと、自分らしく生きるための考え方、国が策定した「がん対策推進基本計画」の説明、がんに関する支援の紹介の講義でした。

認知症の理解と対応

認知症にはアルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症の4種類があるそうです。各認知症の特徴、脳の変化、認知症のくすり、早期診断の重要性、認知症疾患医療センターの役割と取り組みについての紹介の講義でした。

認知症の方とのコミュニケーションのポイント、介護する人が楽になる認知行動療法、介護支援で家族の負担を減らす取り組みの講義でした。

認知症予防をする高齢者

認知症患者の家族による介護で家族がうつ病を発症する場合があるそうです。認知症患者の家族に対する認知行動療法という、心理学に基づいたプログラムが東京都で始まっているそうです。

生活習慣病の予防と健康づくり

食生活、運動習慣、休養、喫煙、飲酒の生活習慣が病気の発症や進行に関与する疾患群を総称して「生活習慣病」といいます。生活習慣病が引き起こす動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、心不全、高血圧、脂質異常症、糖尿病の定義、治療法を写真と動画で説明していました。

血圧計

血圧は一度上がるとなかなか下がりません。日本食は塩分が高いため、調味料などの工夫が必要だそうです。それは次の講義で紹介されました。心血管疾患予防のための生活習慣の改善、心血管疾患予防のための食事については興味深かったです。

受動喫煙を含む喫煙は万病のもとです。2010(平成22年)に煙草の値段があがったので喫煙率が下がりましたが、その後は横ばいです。1箱千円になったら煙草をやめる人が増えるのかな、と思いました。

脳梗塞、心筋梗塞の死亡数は冬に増加するので、冬の過ごし方が重要だと思いました。部屋の温度、家の中で冷え込みやすい場所を温める方法が紹介されました。

肥満、高血圧、脂質異常、高血圧についての講義

適正な食事量は、標準体重、目標とする食事カロリーで計算できるそうです。主食(ご飯、パンなど)、主菜(魚、大豆製品、肉、卵など)、副菜(野菜類、海藻、きのこなど)をそろえる食事が紹介されました。

日本人は食塩の過剰摂取による高血圧が多いそうです。塩分の取りすぎ→体の中の塩分濃度を下げようとする→水分を多量に血管の中に吸収する→血液の量が増えるという体内の変化で血圧が上がるそうです。

日本人は食塩の過剰摂取による高血圧が多い

加工食品には食塩が含まれているので栄養表示を確認すること、高血圧の予防方法、レシピなどがイラストで紹介されました。

フレイルにならず健康に生きる

「フレイル」という言葉、初めて聞きました。加齢に伴って運動機能や認知機能が低下した虚弱な状態であり、要介護状態の一歩手前の状態だそうです。フレイルの原因は、

  1. 加齢や心肺機能の低下による身体的要素
  2. 意欲の低下、認知症の進行による心理的要素
  3. 仕事を引退して外出する機会が減り、友人も体調が悪く交流が減るなどの社会的要素

に大別されます。フレイルになると何が悪いかの説明には納得できました。

「フレイル」は加齢で運動機能や認知機能が低下した空虚な状態

骨折した場合、健康な人なら治療とリハビリで元の状態まで戻れる場合が多いですが、フレイルの人だと元に戻れず、車いすや寝たきり生活になってしまうかもしれません。肺炎になった場合、健康な人なら軽症であれば1~2週間程度の入院治療で元気になりますが、フレイルの人だと重症化してしまうかもしれません。

フレイルの予防のため、運動習慣、栄養、社会的要素が重要だとわかりました。フレイル予防の簡単な体操を、動画とイラストで紹介されました。これなら会社にいても、家にいてもできそうです。

地域で安心して医療を受けるために

日本が直面する課題(人口減少、少子高齢化、ひっぱくする国家財政、社会保障改革の必要性、死亡数増加と看取り場所の確保)についての講義でした。

地域で安心して医療を受けるためのかかりつけ医

地域で安心して医療を受けるためにはかかりつけ医の存在が欠かせません。平均寿命が延び、仕事を引退してから死亡までの期間が長くなっています。病気になってから病院を探すよりも、かかりつけ医があれば何でも相談できるいい関係を築くことができます。幸いなことに私には家の近所にかかりつけ医がいます。健康診断の結果で不安があった時、かかりつけ医に相談しました。

受講した筆者の感想

講義を受けてよかったです。最新の治療方法の紹介、病気のメカニズムなど、普段の生活では知る機会がないことばかりでした。自分の生活を見直す機会にもなりました。今日は1回目の開催でした。次回開催日は未定ですが、もしあればぜひ参加したいです。(本文中の写真、断りがないかぎりすべてPhotoAC)

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