【ロボットチキン/スター・ウォーズ】Appleとダークサイドの不機嫌な皇帝

レビュー
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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スティーブ・ジョブスの伝記を読んでいると、アニメ「ロボットチキン/スター・ウォーズ」で登場するダークサイドの「皇帝」を連想してしまいます。

「ロボットチキン/スター・ウォーズ」で登場するダークサイドの「皇帝」は、気が短いかんしゃく持ちです。このアニメでは、社会性のない皇帝の日常が描かれています。部下のひどい裏切りや、気の合わない同僚たちのせいで、エレベーターに乗れませんでした。別のルート(つまりエスカレーターを使って)で目的地をコミカルに目指します。

Appleを追い出されたスティーブ・ジョブスも短気で、エレベーターにまつわる面白い逸話を残しています。

アップル時代、廊下でスティーブ・ジョブズと偶然会ったり、エレベーターにたまたま乗り合わせたりしようものなら、生きた心地がしなかった社員もいた。気まぐれになにかを聞かれ、気に入らない答え方でも返せば、とんでもないことになるからだ。

面と向かってメチャクチャを言われる。あまりの暴言に何週間も落ち込むのはまだいいほうだ。ひどいときには、エレベーターのドアが開くころにはプロジェクトの中止を言い渡されたり、クビを宣告されることすらあったほどだ。

出典:『スティーブ・ジョブズ神の交渉力』エリック・タム(著),竹内一正(訳)、経済界、2008年

スティーブ・ジョブズの才能は、人の才能を見抜くことでした。一方で、部下が忠誠を誓っていても、ジョブズはいったん人を嫌いになるとトコトン嫌いになってしまうようです。自己中心的で傍若無人に振る舞えるのは、Appleの「皇帝」だったからに違いありません。

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