小学校の真下にはマグマだまりがあると思っていた

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撮影 /筆者:iPhone6 Plus

選挙の投票をするために、近所の中学校へ行った。花壇の脇を歩いていると、ある記憶がよみがえってきた。

話は、小学生だった頃にさかのぼる。ある晴れた日、教師が小さな生徒たちを校庭に連れ出した。そして、教師は私たちへこのように宣言したのだった。

「これから火山に行きますよ!」

教師の恐ろしい宣言に、私は心からビックリした。ドロドロの溶岩が、学校にあるというのだ。こうして校庭の片隅にたどり着くと、教師が私に見せたものは、花が植えられた小さな花壇だった。そこに燃えさかる溶岩はなかったが、小さな花がたくさん咲いていた。私はこのとき、「火山」と「花壇」が違いを知った。

小学校の地下には猛々しく燃えさかるマグマだまりがないことを知り、少しがっかりした。同時に、私がいるこの場所が噴火で飛び散らないことにも、ホッとしたのだった。

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この記事を書いた人

木村 邦彦のアバター 木村 邦彦 編集ライター

法政大学文学部哲学科卒、編集ライター。専門紙記者の後、支援施設で依存症当事者のサポート業務に携わる。日刊SPA!、週刊金曜日、図書新聞、netkeirinなどで掲載。【連絡先】business.kimukuni@gmail.com

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