S&B エスビー赤缶 妻が作ったカレーは父が作った本格的じゃなかった「本格カレー」と同じ味だった……

人生(LIFE)
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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S&B エスビー赤缶
撮影・筆者

 妻がS&Bの「赤缶カレー粉」にてカレーづくりに挑戦したが、はからずも「カレースープ」になってしまった。私は、すぐさまに「赤缶カレーミックス」を近所のスーパーで買い求め、いわゆる「カレー」に仕上げたのだった。私は妻が作った「カレースープ」を味見したとき、幼き日に父が作ってくれた本格的じゃなかった「本格カレー」のことも思い出していた。

 

赤缶には二種類ある

 赤缶は、カレーの基本調味料である。カレーのルーではないので、これだけでカレーを作ることはできない。赤缶には二種類ある。「赤缶カレー粉」「赤缶カレーミックス」だ。

赤缶カレーミックス は ベースとなる小麦粉が入っている

赤缶カレーミックス 200g (4個)

 カレーとは、「汁気の多い炒め物」という意味だ。私たち日本人は、カレーを炒め物というよりは、シチューのようなものと考えるのではないだろうか。

 本来は、タマネギなどの食材を時間をかけて炒めて、とろみとなるベースをつくる。小麦粉は代替である。小麦粉がベースとなっているカレーは、カレー風味のシチューなのかもしれない。

赤缶カレー粉 は 日本人が作った「ガラムマサラ」だと思う

赤缶カレー粉 - S&B 84g

 私の父が作った本格的じゃなかった「本格カレー」は、赤缶カレー粉を使ったものだった。これは、小麦粉が入っていないので、カレーのルーで作ったような粘りけがない。スパイスが配合されているだけである。インドのミックスされた調味料のガラムマサラのようなものだ。丹念にタマネギを炒め、たとえばジャガイモを原形を留めないくらいに炒め、トマトなど水気が多い野菜を加えてゆき、少々の水を加えてとろみを出してゆく。このような「汁気の多い炒め物」としてのカレーを、私たち日本人は「インドカレー」と呼ぶことがある。ガラムマサラのような基本調味料として用いる場合には、とても優れているスパイスミックスだ。カレーのルーのような使い方をしてはいけない。

今日の夕飯は妻との共作のカレーになった

 妻は、なるべく油を使わない料理を好む。「赤缶カレー粉」で味付けられたカレーの野菜スープに、私が「赤缶カレーミックス」を加え、チャツネ、トマトピューレ、バジルなどを加えてできあがり。

 料理作りに正解はない。私たち日本人が親しむシチューのようなカレーは、日本の郷土料理なのかもしれない。おのおのの家庭のなかから、文化が創作されることは素晴らしいことだ。

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