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【気めぐりて病なし 貝原益軒『養生訓』】からだを整えるいちばんの基本は呼吸を調えること

人生(LIFE)
モクソン ホウ

法政大学文学部哲学科卒。編集関係の業務に従事。金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味は絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。

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 息づかいで、心のうちも伝わるものです。自信のある語り口、動揺した口ぶり……。多くの人たちが、プライベートやビジネスを通して、経験的に知っていることでしょう。整えられた呼吸は、正しく身体と気持ちを整え、よりよい結果を導きだしてゆくでしょう。

 呼吸を整えることは、ヨガでも気功でも大事に考えられてきました。やる気が起きないときも、呼吸を整えることで次のステップをふみだせるかも。

下丹田に気を集める

 貝原益軒の研究者・立川正二先生は、著書のなかで書いています。

 やる気をおこせるにはからだが整っていなければならない。からだが整っていればおのずと「やる気」がおこる。からだを整えることが先決である。そして、からだを整えるいちばんの基本は呼吸を調えることである。だから、まず患を調え、からだを整え、気を整える。そうすれば「やる気」もおこる。呼吸法はいま話題のメンタルケアの基本でもある。

 貝原益軒は、下丹田に気を集めることを推奨しています。このように言っています

 瞬下三寸を丹田といふ。人の一身の気を、つねに丹田にをさめて、胸にあつむべからず。

 下丹田は、下腹部にあります。東洋思想には、「丹田」という言葉があります。エネルギーが集まる身体の場所のこと。三つあり、上丹田、中丹田、下丹田などです。

 たとえば中国伝統の民間療法である気功では、気が上に昇ってゆくので、下に落ちつかせるように説くものです。益軒の教えにも、気功に通じる考え方があるようです。

 気が落ち着かないと、つい胸や頭を意識してしまいます。心臓ドキドキ、頭がズキズキのように。しかし、上った気を下に下ろすことが呼吸と整える秘訣でありましょう。下丹田に気を集めることは、江戸時代を生きた貝原益軒の健康術にしろ、中国の健康法の気功にしろ、はヨガにしろ、おのおのに共通するテクニックなのかもしれません。

腹式呼吸をしてみる

 下丹田へ気を集めるにはどうしたらよいのでしょう。気功やヨガなどを学んでいなくても、当たらず遠からずの方法があります。腹式呼吸です。

 丹田に気をあつめるようにすれば、「なにか変事があったときも、また人と是非を論ずるときもあやまることがない。道士が気を養い、僧が座禅するのも、みな気を丹田におさめる方法を心がけている」と益軒はつづけている。
臍下丹田に気を集中するということは、下腹に気を入れることであり、いわゆる腹式呼吸あるいは横隔膜式呼吸を深くすることである。

 私の経験的な補足をすれば、鼻で呼吸をすると腹式呼吸になる傾向があるようです。気持ちが落ちつくと、よりよい仕事ができるでしょう。

 古今東西の知恵ある人びとは、憂い煩うこと自体が、解決に結びつくとは限らないと教えています。呼吸を整えて、より良きビジョンが見えたなら、楽しいことに向かって引き寄せられてゆくことでしょう。

 あなたを導く楽しい結果に導く引力を、ナイスキャッチできますように!

 【画像】筆者/iPhone5による

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