でっかいちいさい夢だよ

レビュー
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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 ハッチポッチステーションアルプス一万尺
仕事上の問題で落ち込んでいる同僚がいた。仕事の仲間たちは、「そのような問題は、些細なことだ」とか「小さなことだ」と、落ち込んでいる同僚を慰めていた。私も、落ち込んでいる同僚を慰めたかった。たしかに、同僚が悩んでいる問題は些細なことだと思われた。

 
そこで「アルプス一万尺…」と歌ってみせたかった。しかし、歌詞の肝心な箇所が思い出せなかった。周囲の私を見る目は、とたんに冷たくなってゆく。「この人はいったい何を言いたいの?」と黙殺されてしまったのだった。
私はただ、次のように言いたかったのである。
「昨日見た夢でっかいちいさい夢だよのみがリュックしょって富士登山」
この言葉で同僚の悩みを、慰めることができただろうか…。

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