レインコートを着て陽をあびる

レビュー
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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さかなの「レインコート」は、神がかった美しい曲だと思う。この曲が収められているアルバム「D’eau」自体が、瞑想的な世界だ。
私が三十代の終わり頃、離婚を決意した友人が、ある日、突然私のもとへやって着た。友人と、その日は、一日中、語り明かした。まるで、二十代に戻ったかのようだった。
古い友だちは、「さかな」の「水」というアルバムを手土産に置いていった。友人によれば、さかなのボーカルのポコペンさんは、もう「水」のような曲は歌わないだろうと言っていた。熱病にうかされたような、狂った青春のような世界だと思う。誰しも、速やかに通り過ぎるべき、美しく懐かしい狂った時代であるのかもしれない。

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