派遣社員

テレワーク中のぼっち飯 YouTuberの「やっちゃんねる」さんに思いめぐらす

随想
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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写真:筆者

 テレワーク中は1時間の昼休み内で料理を終え、食事をしなくてはなりません。前日に刻んだ鶏肉を準備しておき、効率よく親子丼を作ろうと思いました。ところが……。丸めて凍らせていたため、熱がなかなか通らないことに気づきました。

 冷凍で保存する場合、薄い板のようにした方が解凍が便利かもしれないと思いました。油を使い忘れ、結果的に「水炒め」となってしまいました。

 料理を作っているとき、私はYouTuberのやっちゃんねるさんのことを考えていました。やっちゃんねるとは、元派遣社員で独身46歳(執筆時)の男性YouTuberやっちゃんが自身の生活を描くVlogです。

 もともとは「妻子・家なし、ハケン46才」と名乗っていました。配信開始から数カ月でチャンネル登録者数は13万人を超え、すっかり有名人となった彼は派遣社員を辞めました。今後は専業YouTuberとして生きていくようです。

 こうした人生の選択に、私はやっちゃんが迷走しているように感じました。視聴者は彼から工場派遣の実態や、しのぎ方、派遣からの脱出の仕方などを知りたかったり、観たかったりしたのではと思いました。

 コロナ禍による雇用の不安と相まって、ひたむきに見えた彼のチャンネルは人々の心に響くものがありました。しかし、不遇からの抜け出し方が単に収益による「YouTuber」になることに解決が示されているのだろうか……。

 こんなことを考えながら、昼食を作っていました。

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