2018年初秋の法政大学市ヶ谷キャンパス探検記

随想
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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法政大学市ヶ谷キャンパスのボアソナード像

秋を感じる小雨降る日曜日。2日に妻と法政大学市ヶ谷キャンパスを訪れました。市民講座を聴講するためです。

学生時代を過ごした90年代とは隔世の感があります。外観だけでなく、雰囲気そのものががらりと変わっていたからです。教室や廊下にボアソナード像が建てられていたのは印象的でした。ボアソナードが、まるで早稲田大学における大隈重信のようなアイコンになっていました。

ボアソナード・タワー内の自動販売機では、2017年5月に話題になっていた大学ブランド茶「ほうせい茶」が売られていました。

法政大学市ヶ谷キャンパスのほうせい茶

大学はこの「ほうせい茶」で愛校心の醸成、さらに大学生活の身近な存在となることをねらうそうです[1]。キャンパス内の売店や自動販売機以外でも、靖国通り一口坂交差点の市ケ谷キャンパス一口坂校舎内情報発信スペースなどで手に入ります。

どうしてペットボトルのお茶で愛校心なのでしょうか。それは創立者がお茶の産地大分県出身だから。もちろんボアソナードのことではありません。金丸鉄(かなまる まがね)、伊藤修といった人たちのこと。法政とボアソナードとの縁は、創立者が門下生だったことに由来します。ボアソナードさんは創立者ではなく教頭先生なのでした[2]

ボアソナード・タワー、ボアソナード像、そしてほうせい茶。キャンパスは愛校心であふれていました。90年代の屈折した学生たちのキャンパスライフとは大違いです。

取り壊し中の58年館

取り壊し中の58年館の白い壁が、かつての名残を垣間見せていました。

時代は人生100年。誰しも壮年になってから大学院へ進学することはありえます。社会や地域に開かれた大学は、学びと研究の場として、さまざまな人々とのつながりを保ち続けていました。時代が期待する大学の役割も少しずつ変化しているようです。


【脚注】

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