【随想】何もしない

人生(LIFE)
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

木村 邦彦をフォローする

IMG_4110

一度に集中できる時間は25分という説がある。集中して仕事をこなすために、25分毎に時間を区切って仕事をする時間管理術をポモドーロテクニックという。私は玉子の形をしたキッチンタイマーで、時間をはかり、仕事を進めてみたりする。午前から午後へ、午後から午前。そして、また午後になる。

二十歳を過ぎたころから、時間が経過する速度が速くなった気がする。きっと、老化も関係しているに違いない。ふと思う。何もせず、一日をすごしたらどれほど時間が長く感じられるだろうか。

細切れの時間と時間の間で、スキルを磨き、リスクを回避する。応急処置的に身に付けた知識も、いつしか蓄積され知恵となっていく。とはいえ、めまぐるしく変わる時間のなかで、何か「大切なこと」を見失っている気もする。自分はいったい何のために生きてきたのだろうとか考えてしまう。

大切な人と、“親密な時間”を過ごすための時間。それは自分のための時間でもあるだろう。理由は、きっと素晴らしい時間だから。その時間も“何もしない時間”として、あらかじめ準備する必要がある。何もしない予定をたてる。何もしないことは、前もって準備する必要がある贅沢な過ごし方なのだ。

大きな時間のなかで流されがち。見つめ直す時間も必要なのだと思う。

タイトルとURLをコピーしました