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 音楽の鎮痛剤

Hammock(ハンモック) 禅的音楽のギターアンビエント

レビュー
モクソン ホウ

法政大学文学部哲学科卒。編集関係の業務に従事。金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味は絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。

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画像引用/youtube:Hammock – Tape Recorderより

 アメリカのポストロックのアーティスト・Hammock(ハンモック)。彼らのサウンドには、無闇に気持ちを揺さぶらず、禅的で静かな魅力がある。

Hammock(ハンモック)のアンビエントは禅的境地

メンバーと概要

 Hammockはシューゲイザー、ポストロック、アンビエントのジャンルにまたがるアメリカのバンドだ。メンバーは、マーク・バード(G)とアンドリュー・トンプソン(G)の二人。音楽性は2005年の活動開始時より一貫している。 アンビエントドローンや音響系と単純にくくることはできない。作品によってはエイトビートだったり、リズムもあり、メロディもある。黙々と淡々とギターを弾いている曲もあれば、ボーカル入りもある。引き出しは多様だが、サウンドには一貫して「落ち着き」を感じさせる。

音楽性

 気持ちを無闇に明るくさせるわけでもない。ギターサウンドは得てしてクリーンなトーンで、音数も控え目。ポストロックのサウンドに共通して、ハンモックも空間系のエフェクト処理を多用する。音の木霊を生みだし、安定した温かい世界を作りだしている。

他ポストロックバンドとの比較

 空や海を見たり、気持ちが良い風を感じて、美しいからといってむやみに泣き崩れたりはしない。ああ、綺麗だなと思い、晴れやかな気持ちになるものだろう。

 同じポストロックの括りのなかでも、この点は、先日紹介したMONOの世界との大きな違いだ。MONOは、古傷の場所を気づかせ、感情的にさせる。毎日聴いていると疲れてくるのだ。Hammockのサウンドは静的で、禅的。いちいち感傷的にならずに済むので、仕事をしながら聴くような場合には、Hammockのサウンドは相性が良いかもしれない。

Stars In The Rearview Mirror

アルバム「Kenotic」(2005)より

 ワウをかけたギターサウンドが印象的。エレクトリックギターとチェロとの相性も良い。変わらぬ日々を、黙々と仕事をこなすあなたの世界が映し出されているようだ。

 

Take A Drink From My Hands

アルバム「Raising Your Voice…Trying To Stop An Echo」(2006)より

 音数少ない鍵盤楽器のイントロが美しい。徐々に盛り上がる楽曲なら「Take A Drink From My Hands」の出だしには、学ぶべきものがある。MONOのように長々としたフェードインから始まる楽曲は、たいていはイライラさせられるものだから。

 

How Can I Make You Remember Me

アルバム「Chasing After Shadows…Living With The Ghosts」(2010)より

 「Chasing After Shadows…Living With The Ghosts」のアルバムジャケットをはじめて見たとき、ビル・エバンスとジム・ホールのUndercurrentに通じるアイデアを感じた。「Chasing After Shadows…Living With The Ghosts」は、天上にすくい上げられていくような、神聖さがある。

 

Tape Recorder

アルバム「Departure Songs」(2012)より

 Tape Recorderは、Hammockの楽曲のなかで掛けねなしの美しさだ。パーカッションを排しての、ストリングスとギターサウンド。基本は同じフレーズの繰り返しだ。繰り返しのアート、ミニマリズムは魂を鎮める力がある。

 

依存しすぎず、音楽で律した生活

 波乱な人生、動きの激しい仕事。大人たちは激動の時代で、常に最先端を生きている。どんな誘惑にも屈せず、定めた目標に向かって突っ走ってゆく。ときには軌道修正も必要だろう。めまぐるしく変わる環境のなかで、クールな判断が求められるものだ。そんなとき、自らの気持ちを整える方法はもっていたい。

音楽であったり、家族であったり、禅であったり、ヨガであったり、深い睡眠だったり、適切な食事であったり、怒りを排した生活であったり……。

愛にみちたものを見つけ出し、大切にしようではないか。それは良い仕事を達成するために、必要なものだろう。

 

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