印象が薄い革命家ポル・ポトはそのぶん不気味な印象を強める

レビュー
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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 毛沢東、ホーチミン、カストロ、ゲバラ、スターリン、レーニン…。 彼らの顔は、思い浮かべることができる。 しかし、ポル・ポトの顔は思い出せないことがある。 印象の薄さが、彼の不気味な印象をより強める。 印象が薄い革命家は、内戦のカンボジアで、1975年4月17日にプノンペンを占領した。 当初、都市部の住民はポル・ポトらのクメール・ルージュを歓迎した。 虐殺の歴史は、このあとすぐに始まるのだった。 ポル・ポトは、臆病な権力者だった。 国中に密告を奨励し、密偵を潜ませた。 彼が恐れていたのは、ベトナムでもアメリカでも中国でもなく、政策への矛盾に気づく自国民だった。 政治家たちの仕事は、国民の生活ために貢献してくれることはある。 政治家たちは、自国民を恐れている。 これらのことを、ポル・ポトの虐殺の歴史は教えているような気がする。

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