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 たべある記

立川の「蒙古タンメン中本」には忘れていた若さ(辛さ)があった

レビュー
モクソン ホウ

法政大学文学部哲学科卒。編集関係の業務に従事。金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味は絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。

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1月の雪降る立川駅の南口。そこでは菓子パンを肴に缶酎ハイと競馬新聞を握りしめた紳士たちを多数発見しました。

この地に降り立つたび、演劇青年だった友人の言葉を思い出します。「寺山修司の競馬論を信用できないのは、彼が競馬で負けたことがないから」と。私も競馬で負けた経験がありません。なぜなら、そもそも馬券を買ったことすらないからです。

明日の天気は良いだろうか、あの会社は無事に困難を乗り切れるだろうか、A君の結婚生活はうまくいっているだろうか…。うまくいっている方に二郎ラーメンを一杯、なんてね。このように、私も賭け事を愛してはいます。

酎ハイを握りしめた紳士たちは警備員と親しげに語り合う。そば屋の店主も知り合い。みんな友達同士のようで羨ましい。

昼時に立ち寄った薬局で、この地では「蒙古タンメン中本」という店が人気だと教えてくれた。そこで訪れてみると、麺は固めで二郎系。とにかく辛い店でした。

お店のウェブサイトでは経営者がハーレーにまたがって、ラーメン丼を差し出していました。まるで、座礁した客船の沈みゆく乗員たちに救いの手を差し伸べているかのよう。頼もしい男っぷりです。

その丼にあったものは…何だったのでしょう。私は「辛さ」以外の特長を発見できませんでした。そして、なぜか若さの他になんの取り柄もなかった若者時代のことまで思い出してしまいました。特長をキャッチできなかったのは、きっと私が歳を取ったからに違いありません。

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