たべある記

大衆中華のお店「えぞ松」(東京・飯田橋)に私が30年近く通うワケ

レビュー
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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えぞ松(神楽坂店)の「焼肉定食(豚)」(写真=筆者)

尋常ではない量の「ホイコーロー定食」(720円)で有名な大衆中華のお店「えぞ松」(東京・飯田橋)。同店を一言で言い表すなら「質より量」といったところでしょうか。

私は同店に通い始めて30年近く。実は、今日の昼飯も「焼肉定食(豚)」(880円)でした。

これまで、訪れるとホイコーロー定食ばかり注文していました。この定食は炒めた肉をご飯に載せるワンプレート方式。食べ終わるころにはご飯が汁でグチャグチャになってしまうのが難点です。

えぞ松(神楽坂店)のホイコーロー定食(写真=筆者)

最近は別の定食も注文するようになりました。それが「焼肉定食(豚)」。ご飯はおわんに盛られているのでグチャグチャにはなりません。豚ばら肉はホイコーロー定食と同じく脂身多めで、千切りキャベツの上に置かれています。もちろん同定食においても量は尋常でなく、若き日のように完食できなくなりました。

食べログでは同店への愛憎相半ばするコメントが見えます[1]。「どんなに安くて量が多くても食欲がわかない」「お値段とボリュームは良いですけど、味や接客は悪い」「お値段とボリュームは良いですけど、味や接客は悪い」……といった具合。

確かに、味も料理人の接客態度も良いとは言いがたい。今日も客が料理人に注文の仕方がなっとらんと叱られていました。食後は脂身の多い豚肉のせいで胃袋も痛みます。そんなわけで、店を出るたびに「この店に来るのはもうよそう」と決心します。しかし、しばらくすると足を運んでしまうのはなぜなのでしょうか。

飯田橋。この地には東京理科大や法政大学、首都大学東京(4月から東京都立大に改称)、日本歯科大などのキャンパスがあります。腹をすかせた学生にとって、山盛りの飯を食える同店は貴重な存在だと思います。学生時代の私も、脂身が多い豚肉を使ったホイコーロー定食におろしニンニクを山盛りにして食べたものです。

やはり、同店の味は特別で、私を20歳のころに連れ戻す魔法の定食なのです。

えぞ松 神楽坂店

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【脚注】

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