Pizzicato Five「My Name Is Jack」、鈴木慶一訳ムーンライダース版だった

レビュー
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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great white wonder RARE MASTERS 1990~1996

ずいぶん前に解散してしまったPizzicatoFive(ピチカート・ファイブ)の大好きな曲に、アルバム「great white wonder RARE MASTERS 1990~1996」に収められたMy Name Is Jackという作品があります。3代目ボーカリストの野宮真貴さんのボーイッシュな歌声が、とても魅力的です。

歌われる少年の憧れには、どこかしら淡い切なさを感じます。思い出したように、ときおり聴き返したくなる演奏です。

この作品は、PizzicatoFiveのオリジナルだと思っていました。ところが、ジョン・サイモン(John Simon)さんというアーティストが、1968年に作曲したカバーだと知ったのです。

オリジナルは、曲調も違う。野宮真貴さんの歌とは逆に、仲間たちと酒をくみかわしワイワイと合唱するのが似合いそう。さらに調べてみると、曲調だけでなく、歌詞の内容も違っているようです。

なんと本ちゃんの歌詞は、グレタ・ガルボはあの女優ではなく、「グレタ・ガルボ・ホーム」というヒッピー用宿泊所だった。Jackはそこに住んでいる3歳ぐらいのオトコノコだったのだ!

Jackは水兵さんじゃなかったんだ!「YOU ARE WHAT YOU EAT」 | Sugar&Spice GUMBO趣味あまから手帳「滋味風味」 、閲覧日:2016年9月4日

野宮真貴さんが歌う「グレタ・ガルボの水着のポートレイト」という箇所がなんともいえず良いのですが、オリジナルではないらしい。

引用のブログ記事からさらに、ムーンライダースもカバーしていることも知りました。ムーンライダース版を聴いてみると、PizzicatoFiveで歌われるアレンジとほぼ同じでした。鈴木慶一訳によるムーンライダース版のカバー曲だったのです。

このように、大好きな曲の系譜をだどって、国内外の偉大なアーティストたちの仕事ぶりを知りました。ムーンライダースも格好良かった。さらに掘り下げて、いろいろな曲を聴いてみたくなってきます。

「My Name Is Jack」は、60年代のピッピー文化を背景に生まれたらしく、これらを踏まえて聴くとサブカルの世界もかいまみて面白いかもしれません。

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