たべある記

「廻鮮寿司 塩釜港」東京から宮城県塩釜市の回転寿司を訪ねる

レビュー
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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「廻鮮寿司 塩釜港」(宮城県塩釜市)のにぎり(写真=筆者)

「廻鮮寿司 塩釜港」(宮城県塩釜市)のにぎり(写真=筆者)

「塩釜にぜひ連れて行きたい〝回転ずし〟がある」

このような熱い誘いを仙台に住む弟から受けました。趣味はおすしの食べ比べ、海釣り、水族館巡り……。そんな魚好きの弟が絶賛するお店なものですから興味がわきます。1月の3連休初日は日帰りで、塩釜市にある「回転ずし」を訪ねました。

三陸の豊かな海の幸が水揚げされる塩釜市。この地にある「廻鮮寿司 塩釜港」(宮城県塩竈市野田18-1)を回転ずしとあなどることはできません。金華山・三陸沖漁場などの有力な漁港が近いといった立地を生かし、新鮮なネタがなんと1皿150円から味わえるのです。

地元民の間でひそかに知られたお店だったのですが、テレビなどで紹介されると津々浦々から食通たちが集まるようになったようです。この記事を書いている時点で食べログのコメント数は1200を超えており、「全国の回転ずしの中でトップクラスのレベル」というコメントも見えます[1]

東京から仙台までは新幹線を使えば1時間半

この日は朝9時8分に東京駅を新幹線で出発。さらに仙台駅から東北本線塩釜駅に降り立つと徒歩5分の場所にあります。11時ごろに到着すると開店直後にもかかわらず、腹をすかせた食通たちが店を取り囲んでいました。

お店の前に順番待ちのリストがあり、記帳を済ませる

仕入れたネタは1日で使い切ってしまうらしく、夕方になると注文できるネタも減ってしまう。こうした理由から、舌の肥えた食通たちは朝から順番を待っているのでした。

東北の港町はスケールが大きく、店の敷地も広い。お客たちは敷地のあちこちでおしゃべりをしたり、

順番を待つお客さんたち

マグロのレプリカを眺めたり、

マグロのレプリカ

生けす(水槽)のお魚に話しかけたりして空腹を紛らわせていました。

お店の入り口の生けす

妻が生けすを指さし「この赤いとげとげの魚は何だろう」と尋ねたので、私は「これはあの有名な猛毒のオニダルマオコゼ、の可能性がある」とうそぶいたところ、弟がすかさす「これはボッケだよ」と間違いを指摘してくれました。

小一時間ほどで店員に呼ばれ、店内に移動して空きを待ちました。

店内が静かで落ち着いた雰囲気なのは理由があった

順番がやってきました。席に伝票があり、ネタを書いて職人さんに手渡します。廻っているおすしも食べられます。職人さんは黙黙と握り、お客は食べることに集中できる仕組みです。

出された握りは、なんとも例えようがないおいしさでした。ホタテ、サーモン、まぐろ、いわし、なまこ、活ボッケ、寒ブリ……。どれもつややかで、濃厚、ぷりぷりです。

ホタテは待ちきれず、一貫食べてしまいました。つるんと甘くてほっぺたが落ちそう。

もともとは二貫あったホタテの握り

水槽にいたボッケは旬のオススメのネタでした。引き締まったクセのない上品な味わいです。

活ボッケ

活ボッケ

ブリは特有の臭みがまったくありませんでした。丁寧な処理をしていることが推し量られます。ハマチにはないブリの柔らかい食感も楽しめました。なによりネタの大きさに感動。

寒ブリ

マグロの軍艦巻きは、脂ののったネタがこぼれそうです。

マグロの軍艦巻き

驚きと感動とか言いようがありません。夢中になって食べたため、この後は写真を撮るのを忘れてしまいました……。この間、弟夫婦と私たち夫婦4人の会話は「うまい」「うまいね」ばかり。

弟夫婦の意見やネットの評判によると、バフンウニや生牡蠣、生マグロなどもぜひ注文しておきたいネタのようです。このお店は待つ価値があります。

その後、塩釜から松島に移動して遊覧船に乗って観光。午後7時頃に仙台駅から新幹線に乗って東京へ帰ってきました。東北も東京からすっかり近くなったものです。みんなも行ってみたらいいっちゃ。

廻鮮寿司 塩釜港

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【脚注】

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