素晴らしいカフェギャラリーと消えたギャラリー…… グループ展に参加した経験から得たいくつかの教訓

レビュー
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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素晴らしいカフェギャラリー Cafe Hi famiglia

 三鷹のカフェCafe Hi famiglia ハイファミリア  カフェのある生活 03 2919 29 37 03 2919 29 42

Cafe Hi famigliaサイトより

 まずは、とっておきの話からはじめようと思う。三鷹のCafe Hi famigliaは、素晴らしい空間だ。カフェとしても、ギャラリーとしても居心地が良い。展示される作品も、おおむね良質、食事ではオムライスがとっても旨い!素晴らしいカフェギャラリーの存在は、地域にとっても作家にとってもコレクターにとっても、文化的な財産。大切にしなくてはならないだろう。このように思わせてしまうギャラリーこそが、素晴らしいギャラリーの定義だと思う。

 カフェは、そもそも絵を観る場ではなく、座って話をする場所。ギャラリーとして十分な訳じゃない。でも、素晴らしいカフェギャラリーなら、ワクワクするハプニングや出会いを十分に期待できるだろう。ファンもいるだろう。

素晴らしくなかったカフェギャラリーの苦い思い出

 素晴らしいギャラリーもあれば、素晴らしくないギャラリーもある。これは仕方がないかもしれない……。私は、四年ぐらい前、mixiで知ったバーのグループ展に参加したことがあった。お店にご挨拶に行き、オーナーお菓子と名刺をお渡しした。参加の条件として、このような文言があったからだ。

 作品の価格だけ伝えてあとは放置する方

他の出展者に挨拶すらできないかたはご遠慮ください。

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イラスト・筆者/店内の風景

 オーナーは気持ちが良い笑顔で挨拶をしてくれた。しかし、彼はハンドルネームしか名乗らなかった。したがって、今日に至るまで、私はオーナーでありギャラリストの名前を知らないままでいる。

正体不明のオーナー

 このオーナーはウェブデザインの会社を運営しているそうだ。彼の本名同様に、彼が運営する会社を私は知らない。(作家は権威的な肩書きに弱いので、「ギャラリスト」とか「デザイン会社」に、たとえ実態がなくても面白いほどコロッと信じてしまいます)。

参加しただけがっかりする

 このバーのグループ展は、二回ほど参加した時点で意味がないと思ってしまった。身内しか集まらず、密室に閉じ込められてお酒を飲む時間が苦痛に感じられてきたからだ。そこは場末でもあったので、酔っ払った男性客が女性を口説きはじめるし、なんだかドロドロした男と女の情の世界までかいま見てしまった。

はじめに信用と信頼の繋がりを作っておくべきだったのかも

 あの苦々しい経験から数年を経て。なにげなく、mixiを久々に覗いてみると……。このバーは一年ほど前に閉店していた。このような告知があった。

 店舗はなくなれど、スタッフとお客様のつながりは消えません。
今後もなんらかの形でここで出来た縁を 更に大きく、楽しくしていくような場を作っていきたいです

 閉店は残念なことだけど、私はスタッフとの繋がりはないと思う。繋がろうにも、オーナーの名前も知らず、顔も忘れてしまったから。

 このオーナーが言う以上に、挨拶は大切だと私は強く思う。しょぼいグループ展でも、なにかしらお金が発生する可能性がある。すなわち、ビジネスなのだから。

しょぼい経験から得た苦い教訓

 挨拶を求めることが、挨拶ができる人の態度とは限らない。

 口ばかりの肩書きに騙されるな。安っぽく、人との出会いを求めるな。君が正しいと思っていること、面白く大好きだと思っていることを、君が真剣に追求していろ。

 脇目をそらすな。君が求めなくても自ずと優れた友人は、君の周囲に集まるだろう。なぜなら、君はきっと優れた人だし、君が求めているように、優れた人だって、優秀な人との出会いを求めているからだ。

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