オリンパスのデジタルカメラSTYLUS XZ-10が名機だと痛感した理由

技術
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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筆者の手元にあるカメラ(iPhoneで撮影)

プライベートで愛用しているカメラは互換性を図る上でニコンで統一されているものの(ちなみに仕事場では会社から支給されたキヤノンのカメラを使っています)、だからといってニコンが優れているとは限りません。ここでは、オリンパスのコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)、 「STYLUS XZ-10」(2013年2月発売)が2019年現在でも通用する名機だと思う理由を書いてみたいと思います。

最初にコンデジで注目したい3つの点を書いておきます。①シャッタースピード優先等のマニュアル設定、②明るいレンズ、③RAWデータでの記録方式ーーこの3点はどのコンデジにも当たり前のように備わっているものでは、ありません。このことに気付いたのは、 先のXZ-10が故障したことがきっかけでした。

このXZ-10を購入したのは2015年で、4年目の今年に電源が入らなくなりました。その後はニコンの一眼レフカメラD5600(2016年11月発売)を持ち歩いていたのですが、重さが負担になってきました。D5600は本体だけで415g[1] 。これに対してレンズ一体型のXZ-10は221g[2]と約半分です。

コンデジなんてどれでも同じだろう、と思いこんでいた私は新たなるサブ機としてニコンのCOOLPIX (クールピクス) S8200(2011年9月発売)を中古で約3000円にて購入してみました。S8200に対する世間の評価はすこぶる良いものがあります。たとえば、Amazonのレビューをランダムに拾ってみても「コンデジとして完成されたモデル」「コンデジとは思えない夜景写真のクオリティ」「同じカメラ3台目」[3]等の肯定的な意見が多くを占めています。

実際に使ってみると、確かに今でも通用する印象がありました。オートフォーカスの正確さ、手ぶれ補正の強力さ、電源オン後の起動の速さ……。どれも申し分ありません。一方で、私の用途には合わないところがありました。XZ-10の仕様が当たり前になっていた私には、どうも違和感を感じるのです。

問題はS8200の頭が良さ自体でした、基本的な設定はカメラにおまかせです。言い換えるとシャッタースピード優先、絞り優先等といったマニュアル設定がありません。

このことは私に致命的な問題もたらしました。たとえば、夜間に行われる室内での講演会を撮影しているとき等です。シャッタースピードが30以下では、露出のつじつまがあっていたとしても、講演者の顔は絶えず動いているため表情がぼけてしまいます。

こういう場合はシャッタースピードは何が何でも30以上にし、それ以外の設定をカメラにおまかせにしたいと思います。シャッタースピード優先で設定したいのです。こうしたマニュアルの機能はニコンのコンデジにおいては上級機に備わっているものであり、S8200にはありませんでした(ちなみに現行のB500にもありません)。それが XZ-10ではできるのです。

XZ-10の開放F値は1.8

特筆する点は他にもあり、XZ-10のレンズの開放F値は1.8~2.7[2]と驚異的に明るいことです(S8200 は3.3〜5.9)[5]。明るいレンズのアドバンテージとして室内での撮影でも心持ちシャッタースピードの速度を上げることができることができます。

そして、もうひとつアドバンテージがあります。 XZ-10はJPEG以外にもRAWデータで記録が可能なことです。Photoshopなどを用いた現像で、作品成立の可能性をもたらします。

以上まとめると、コンデジに①シャッタースピード優先等のマニュアル設定、②明るいレンズ、③RAWデータでの記録方式はどの機種にも備わっているものではありません。

スマートフォンのカメラ機能の進化にともない、オリンパスではコンデジの開発に力を入れていないようで、現在XZ-10シリーズの発売は終了しています。新品での入手は難しく、Amazonでは中古品が1万円前後で取り引きされています。自分にとっては XZ-10はやはり当面必要な機種なので、ジャンク品を含めてポチポチ集めておこうと再考しました。

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【脚注】

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