
カフェでスマホを持つ手(Photo by PhotoAC)
期間限定のバッテリー交換をしたいけれど
シックなファッションで、素早い身のこなし。日々の仕事を驚くべきスピードでこなし、判断力も速い。そんな王さん(仮名)が、「はあ」と下向きに大きな息をつき、肩を落としていました。ふだんの様子と違います。王さんは20代のガジェット女子。お仕事でお世話になっている方です。
理由は、Appleが発表した期間限定バッテリー交換キャンペーンでした。交換の予約がとれなかったそうです。
王さんは、お住まいの近くにあります「カメラのキタムラ」へ電話しました。正規の修理拠点一つです。ところが、スケジュールはいっぱい。予約がとれる見通しはありません。「しかたないです」と肩をすぼめます。
王さんの愛機はiPhone SEです。『AppleCare+』には未加入で購入から1年経過しています。この条件であれば、3,200円でバッテリー交換ができるはずです。
期間限定キャンペーンの費用と対象、予約の取り方
ご存じのとおり、2017年末にAppleはiPhoneのバッテリー交換費用の値下げを発表しました[1]。期間限定で2018年12月まで。以下のiPhoneが対象です。
- iPhone 6/6 Plus
- iPhone 6s/6s Plus
- iPhone SE
- iPhone 7/7 Plus
- iPhone 8/8 Plus
- iPhone X
対象の機種なら保証対象外でも、半額以下の3,200円でバッテリー交換ができます。通常は8,800円なので割安です。1年間の通常保証、もしくは『AppleCare+』の対象なら無料ですけれど。
私がおこなった予約の取り方
バッテリー交換を済ませたiPhoneは、見違えるようにキビキビとサクサクと動きます。私も1年半ほど利用したiPhone7Plusのバッテリー交換を済ませたばかりでした。でも、予約の取り方は王さんと違います。
- AppleCareに電話(0120-277-535 )
- AppleCareがApple直営のAppleStoreに予約をとってくれる
- その後、受付完了のメールが届く
- しばらく待機
- AppleStoreにバッテリーが届いたら、お知らせメールが届く
- 取り置きの期日までにApple Storeへ行く
- 交換に要する時間およそ3時間
- 街を散策して時間をつぶす
- 交換済みのiPhoneを受け取って完了
以上の流れを王さんに伝えました。
「果報は寝て待て」ではありませんが、Apple側で段取りを進めてくれます。わりにオートマティカリーにことが進みますので、ストレスも少ない。
かつて、画面割れを非正規店で修理したiPhoneも対象?
話を聞いてくださった王さんは、「その電話をかける方法でやってみます」と言いました。表情がやや明るくなりました。私は、なんだか良いことをした気分になりました。
ところが、家に帰ってから私は「やばいこと」を思い出したのです。数ヶ月前、王さんが画面割れのiPhoneを非正規店で修理していたことを。
「非正規店で修理したiPhoneは改造品扱いになるのでは? バッテリー交換の対象にならないのでは?」
青ざめた私は、AppleCareに運用基準を聞いてみました。アドバイザーは次のように回答しました。
「iPhoneを見てみないとなんとも言えません」
驚いたのは、クールすぎる回答にではありません。「できません」という返事ではなかったことです。現在は修理受付の基準がゆるくなっていると、正直なコメントをいただきました。時期によって、基準は変わるものです。私はさらに質問を続けてみました。「非正規店で修理をした場合、どのようなときに拒否されるのですか」
アドバイザーは例を挙げました。
「たとえば、謎の接着剤などで、ボディが開かないときです」
「そりゃそうだ」と私は納得しました。非正規店で修理をしたことを理由に拒否はされません。バッテリー交換は受けられる可能性があります。ただし、非正規店で悪質で破壊的な修理をされていなければ。
王さんのきれいなiPhoneSEもバッテリー交換を受けられることでしょう。安堵しました。私は胸をはって仕事ができそうです。