いまから3年前、世間が中華裁断機と呼ぶ「大型裁断機」(ペーパーカッター BA58A4)を自炊(ブックスキャン)するために購入しました。とても重く、ごつい図体で、部屋の場所をとります。
一度に200枚程度をめやすにスイスイ切れて(公称は「400枚~500枚」なのだけど)、すばらしい仕事ぶりを発揮してくれます。いまでは、ごつい愛機なくして、わたしの読書ライフは成り立ちません。
使い込めば刃物の宿命として、切れ味はだんだん悪くなってきます。愛機の交換用「替え刃」は、もちろん手元に用意していますけれど。
ただ、ネット界隈では「このタイプの刃は研ぎ直しが効く」[1]という興味深い情報も見えます。自分で研げるなら、コストパフォーマンスにもっと貢献してくれるはずです。
古い刃を研いでみることにしました。使ってみたのは、台所にあったごく普通の水砥石です。
中華裁断機から刃を取り外すのは、少々コツがいります。刃に持つ柄がないので、けがをしないよう慎重に扱う必要があります。
そして、息を殺して研いでみました。なんと、切れ味は復活しました。しかしながら、すべての人にオススメはできないと感じます。というのも、基本的に刃は角度をつけて研ぐ必要があり、わたしのような素人がメンテナンスし続けるのはストレスを感じてきます。
砥石ではなくシャープナー(研ぎ器)で研げば、角度の問題も解決できし、作業自体もルーティンワーク化して、楽になるのでは?と思いました。
裁断機の説明書には シャープナーで刃が研げるとは、どこにも書いていません。ネット界でも試した人の情報は見つかりません。シャープナー側も、裁断機の刃を研ぐことは想定していないでしょう。ここはモノは試しに、このわたしがやってみようと思いました。Amazonでそこそこ評判の良いE-PRANCEの キッチン・ホーム用包丁研ぎ器「セラミックロール シャープナー ステンレス鋼」というものを注文してみたのです。
E-PRANCEのこのシャープナーをめぐって、Amazonの「カスタマー Q&A」では、下のような面白いやりとりが残されていました。
問: 当方武士なのですが、刀は研げますか?
回答: 無理だと思います
出典:Amazon.co.jp : E-PRANCE® 包丁研ぎ器 セラミックロール シャープナー ステンレス鋼 キッチン ホーム用 : ホーム&キッチン、閲覧日:2016年9月18日
裁断機の刃も、武士の刀に見えなくもありません。この質問者は、暗に裁断機の刃を研げるか質問したように思えました。はたして実際に研げるかどうかは、試してみないと分かりません。もし研げなかったら、どうしましょうか? 本来の台所用包丁研ぎとして、砥石に代わる主役になってもらいましょう。モノの到着をまつばかり。乞うご期待!