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台風の予測不可能な進路にワクワクも感じる?【バタフライ効果ってなんだろう】

技術
モクソン ホウ

法政大学文学部哲学科卒。編集関係の業務に従事。金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味は絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。

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 蝶

イラスト/筆者

 2014年の台風8号、台風で初めて特別警報が出された。沖縄・西日本を中心に大きな被害を出したこの台風に、東京に住む私も戦々恐々と待ち構えていました。

予測不可能にワクワク

特別警報が出されていた台風8号

 台風は7月8日朝の時点で、中心気圧935ヘクトパスカル、中心付近の最大風力50メートルのまま、宮古島から80キロまで接近。台風としては、初めて特別警報が出されました。新聞やニュースで報道されていた写真を見ると、巨大な「台風の目」も映し出されている。

 東京はいったいどうなってしまうのだろう……。この心配をよそに、11日9時には関東の東の海上に抜け、太平洋上で温帯低気圧に変わった。関東での被害が思いのほか小さかった印象は、不幸中の幸いでした。

バタフライ効果

 国際宇宙ステーションから撮影台風8号

画像引用 /国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士のリード・ワイズマン氏による

 台風の進路のように、正確な長期予報が不可能である現象を「バタフライ効果」と呼びます。

 「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる」や、「アマゾンを舞う1匹の蝶の羽ばたきが、遠く離れたシカゴに大雨を降らせる」という表現が使われることもある。

引用 /Wikipedia:バタフライ効果

 「バタフライ効果」や「カオス理論」という言葉を聞くと、ロマンに満ちたイメージを抱いてしまいます。カルマン渦、南極の暴雨風が起こすハワイで大波、そして台風の進路。小さなきっかけが、予測不可能な大きな現象や事件を生み出す。そこには、何が起こるか分からないことへの、ワクワクする心の高まりを感じます。

 ところが、以前、理系で大学院まででた友だちは、「文系の人がいうカオス理論って、本来の意味とはちょっと違うんだよな……」と一瞥していました。理系の人の理路整然とした「カオス理論」とは、以下のような説明なのでしょう。

 カオスとは「決定論的なシステムがつくり出す非周期振動」 という現象であるといえます。ここでいう決定論システムとは、破ることができない不変の法則からなる系という意味です。すなわちカオスは、不変の法則に支配される系にありながら法則性のない予測不可能な非周期的振舞いということです。

引用 /バタフライ・エフェクト

iTunesビジュアライザ

 iTunes

 パソコンのスリープ画面で表れるスクリーンセーバー、iTunesのビジュアライザーやランダム選曲は、台風のように予測がつきません。予測がつかない動きには、生命まで感じてしまいます。台風のような予測不可能な現象を、私たちは日々の生活に取り入れ、楽しんでいる。iTunesのなかにも、小さな台風がいるのかもしれません。

 生き物のような台風の気まぐれな動き。巨大な台風8号が、想像より小さな被害で終わったのは、不幸中の幸いでした。

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